偶然からの発見

今では抗生物質は細菌性の感染症の治療薬として当然のように処方されています。その抗生物質の代表とも言えるペニシリンはアレキサンダー・フレミングによって発見されました。風邪を引いていたフレミングは自分の鼻水を培養することにしました。そのときに鼻水の中に涙が混じっていたのですが彼はそのまま放置したのです。もちろん実験は失敗。プレートの中にはアオカビが発生しているものもありました。

しかし、そこでフレミングはアオカビが成長するにしたがって周囲の細胞が死んでいくのを発見したのです。フレミングはこのアオカビにペニシリンという名前をつけ、発表したのですが当時の医学界ではまったく注目を浴びませんでした。しかし、発見から10年後、オックスフォード大学で研究をしていた医師ハワード・フローリーとエルンスト・チェーンがたまたまこの論文を読んだことから状況は一変します。興味深いと感じたこの二人はいろいろな苦労の末少量のペニシリンの抽出を行い、血液中に細菌が進入し、医師に見放されてしまった患者に投与したのです。ペニシリンの量が少なかったため結局この患者さんは亡くなってしまいましたが、ペニシリンが細菌感染症に効果を示すことを実証しました。

その後、細菌感染症に犯された何人もの患者にペニシリンを投与、ペニシリンは抗生物質としての地位を獲得したのです。もし、フレミングが実験に忠実な医師でアオカビが発生していなければペニシリンも発見されていませんし、抗生物質の薬も開発されていないかもしれません。実験失敗によりペニシリンを発見したフレミングは1945年、実用化した二人の医師とともにノーベル生理医学賞が授与されたのでした。

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